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M&A事例集

夫婦で育ててきた年商3200万円の会社が売れた!

後継者候補が想定外の結婚

まずはM&Aに「会社の規模は関係ない」という実例を皆さんにご紹介したいと思います。

その会社は、どこの地域にもよくある「まちの不動産屋さん」でした。事業の柱は、マンションやアパートといった賃貸物件の仲介・管理業です。社長の年齢は当時75歳で、昭和50年代にある地方都市に創業し、年商は3200万円。2名の従業員を抱え、奥様が長く経理を務めてきました。典型的な家族経営の会社といってよいでしょう。

社長が会社の譲渡を考えるようになったきっかけは、後継者問題でした。社長夫婦には子どもがいなかったため、社長は自分の信頼していた女性社員を後継者候補と考えるようになりました。年齢は40歳。「この先、結婚する予定もない」ということで、正式に話し合い、ご本人も了解していました。

ところが、その後にご縁があって、突然ご結婚されることになったのです。おめでたい話ではありますが、社長は困ってしまいました。当てにしていた後継者候補が突然いなくなったのですから、無理もありません。その女性以外の候補は全く考えていなかったのです。

そのころから社長は、自分の体力の衰えも急速に感じるようになってきました。特に不安になってきたのが車の運転です。賃貸管理の仕事は、毎日のようにさまざまな物件やオーナーのもとへ車を走らせなければなりません。「この先、いつまで社長業を続けていけるか?」と、会社の行く末を悩む日々が続いていたといいます。

着手金を支払ったのに…

そんなある日、社長はM&Aという選択肢があることを耳にしました。そして、とあるM&A仲介会社が主催するセミナーに出席してみたのです。

それまで別世界の話のように思っていたM&A。しかしそのメリットを改めて聞き、前向きな気持ちになった社長は、
「後継者はいなし、自分もいつまで経営を続けていけるかわからない。もし、自分の会社を買いたいという会社があるなら、話を聞いてみよう」
と決意。仲介会社と契約を結び、100万円の着手金を支払いました。

ところが、この話には意外な展開が待っていました。仲介会社からは1件も紹介の連絡がなかったのです。その間、状況の報告を要求しても、仲介会社はなしのつぶて…。そのままとうとう1年が経過し、さすがに疑念を持った社長は、税理士に相談しました。その税理士から紹介を受けたのが、「まごころM&Aパートナーズ」だったのです。(ちなみに、その前に契約していた仲介会社に支払った着手金は戻ってこなかったようです。)

可能性はあると直感

私はすぐに社長のもとに出向き、個別相談に応じました。社長は当初、「本当に信用できるのか?」と疑心暗鬼にかられていたようです。最初に相談した仲介会社から「裏切られた」あとですから、無理もありません。しかし、当社はまず行動し、その働きに納得していただいたうえで契約する仕組みをとっています。ですから、社長もご自身の思いや会社の状況について、率直にお話になる気持ちになってくださったようです。

そのとき社長から尋ねられたのは、「年商3200万円ほどの会社が、本当に売れるのか?」という素朴な疑問でした。私は「可能性はあります」と力強く断言しました。なぜなら、自分のネットワークにはすでに、「不動産管理会社を買いたい」という申し入れが20件以上あったからです。

あとは価格の問題だと感じていた私は、相談を受けたその場で、「打診してみます」と返事をし、すぐに動き始めました。社長は1年もの間、何の紹介も受けられなかった後ですから、私の対応に驚かれたようでもありました。

いきなり大企業へ打診

私が買い手として真っ先に打診したのは、同業の大企業でした。本社は東京です。売り手となる社長の会社とはかなり規模が違いますが、私はこの話をいただいたときから、この企業のことが頭に浮かんでいました。それは次のような理由があったからです。

この企業の主軸はホテル経営です。多角化の一環として、近年、新たにビルや賃貸物件の管理業にも乗り出そうとしていました。その足がかりに、地場の中堅どころの会社をM&Aで取り込み始めていたのです。このタイミングなら、小さな会社のM&Aも受け入れやすいのではないかと、私はにらんでいました。毎月のようにその企業のM&A担当者とコミュニケーションを取っていた私は、わりと早くからこの情報をつかんでいたのです。

企業のM&A担当者に話をしてみると、相手の規模の小ささには驚いたようですが、事業エリアには強い興味を示しました。社長が夫婦二人三脚で顧客を獲得してきた地域は、その大企業にとって、まさに未開拓のエリアの1つだったからです。

社長の会社は規模こそ小さいものの、地域にたくさんの顧客を持ち、安定した収入がありました。こうした「まちの不動産屋さん」を取り込んでいけば、効率よく市場開拓を進めていけると判断したのでしょう。その後、話はトントン拍子に進みました。

一方、売り手となった社長は、「きっと買いたたかれるに違いない」と思っていたようです。ところが、譲渡価格は私が想定していた範囲の最も高い価格で決まりました。社長の希望よりも1000万円も高かったので、社長自身もとても驚いていらっしゃいました。

この額になったポイントは、タイミングのよさもありました。もし、この話が1年遅かったら、価格はもっと低かっただろうと思います。それから半年後には、その大企業が自社で営業拠点を作り始め、エリアの開拓が急速に進んだからです。M&Aはスピードとタイミングがいかに重要かということがわかります。

イメージと違ったトップ対談

交渉の大きな節目であるトップ面談は、売り手側が社長1人に対し、買い手側は交渉の担当者や弁護士など6名が出席して行われました。

社長は最初、かなり緊張していらっしゃるようでした。さまざまな肩書を持つスーツ姿の方々がずらりと並んでいるのですから、無理もありません。しかし、お互いの自己紹介が始まると、先方の担当者が社長と同じ大学の出身者であることがわかり、一気に打ち解けたムードになりました。そのほかにも、「釣りが好き」「奥様の名前が同じ」という共通の話題が見つかるなど、まるで昔からの知り合いのようななごやかな雰囲気の中で、会社経営の歩みや、M&Aを検討するにいたった経緯などが語られていきました。

そのなかで買い手である大企業側が、社長の話に真摯に耳を傾け、「自分たちを信じて任せていただきたい」と誠意ある姿勢で交渉にのぞんでくれたことに、社長がとても感激していたことを覚えています。

会社が無事に譲渡できたおかげで、雇用が守られただけでなく、大企業の社員になることができた従業員さんは大喜び。

社長さんも数千万円もの創業者利益を確保したうえ、そのまま顧問として会社に残ることになりました。昔なじみの取引先を担当し、新社長からも頼られる存在として、老後の新たなやりがいまで手に入れていらっしゃるようです。

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